鍛金


今回から皆さんにジュエリー制作方法として用いられてきた伝統的技法の歴史などをお話したいと思います。


まずは「鍛金」という技法です。

この鍛金は金属に熱を与え、金槌で叩き伸ばして造形してゆく方法です。

歴史を見てみると古くは旧約聖書の最初の章である「創世記」の第4章に登場します。

有名なアダムとイヴの息子達「カインとアベル」の話のすぐ後に出てくるのですから非常に古いですね。

メソポタミア文明、古代エジプト文明の頃にはすでに、この方法でジュエリーは作られていました。

大陸から日本に伝わってきたのは「弥生時代」で甲冑などが鍛金で作られています。

その後「飛鳥時代」になると仏教伝来と共に様々な鍛金制作方法が確立されてきます。

そして「江戸時代」になると一般大衆が楽しめる装身具に用いられてきます。

プラチナなどは真っ赤に熱した地金の塊を金槌で叩き伸ばして形状を作っていたことを私がこの仕事に就いた頃は一般的に行われていましたね。

非常に懐かしいです、これは殆んど「鍛冶屋」と同じような作業でした。

現在の貴金属造形方法は「鋳造」が一般的ですが、稀にハイジュエリーのような高価な作品などを見てみると細部に至るまで鏡面仕上げを行い、パーツ類を鍛金で作っているものも見受けられます。

また現在人気の「杢目金」(もくめがね)は鍛金の一種です。

そして鍛金の良さは地金を非常に薄く伸ばして形状を作ることが可能なので、場面の広い、ボリュームのあるものでも軽いものを作ることが出来ます。

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